港南区・栄区 文化
公開日:2025.12.12
南北朝時代の金銅仏や室町の曼荼羅を市文化財に指定へ
横浜市は12月5日、栄区の證(しょう)菩提寺が所有する「銅造聖観音菩薩坐像」など3件を市指定文化財に指定することを発表した。
證菩提寺の坐像は像高31・9cmの金銅仏で、南北朝時代の1357年(延文2年)に製作された旨の陰刻がある。市文化財保護審議会は「南北朝時代の年紀が判明しており、市の美術史上、文化史上で極めて貴重な作品」と評価した。
鶴見区の大本山總持寺が所蔵する絵画「春日社寺曼荼羅」は室町時代の作品。同審議会は「日本に深く根付いた春日信仰の形態と造形を知らしめる基準作品」としている。
横浜市が所有する「旧三井物産横浜支店倉庫」の建築部材5点は、1910年に中区に建設され、2015年に解体された同倉庫の一部で、所有者から市に寄贈されたもの。同審議会は「鉄筋コンクリート造、木造、煉瓦造による混構造の特徴を具体的に示すものであり、日本の鉄筋コンクリート建築導入初期の様相を伝える実物資料として極めて貴重」と評価した。
3件は12月25日の告示で正式に指定される。これにより市指定文化財は180件となる。新たな指定文化財は1月31日(土)から3月15日(日)まで、都筑区の市歴史博物館で開催される企画展で一般公開される予定。
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