中区・西区・南区 人物風土記
公開日：2020.07.16
通所支援型のコミュニティサロンを開所する横浜移動サービス協議会の理事長
服部 一弘さん
中区真砂町在勤 56歳
「個性」輝く社会に
○…４月に急逝した前理事長の想いを引き継ぎ、認定ＮＰＯ法人・横浜移動サービス協会の理事長に就任。７月29日に関内駅前の商業施設セルテ11階に通所型コミュニティサロンを開所する。「新型コロナの影響でだいぶ遅れてしまったが前理事長の念願だったコミュニティサロンが開けるのは嬉しいです」と喜び「支援が必要な方たちにとって新しい自分が見つけられる拠点にしていきたい」と話す。
○…鎌倉市出身。バイクの格好よさやどこまでも旅ができる魅力に惹かれ16歳で中型免許を取得。ツーリングでよく本牧に通っていたという。バイク愛は大人になっても変わらずバイク販売店に就職しレース活動も始めた。22歳のとき、バイクで北米大陸一周に挑戦したが、カナダで事故に遭い脊髄損傷。車いすを利用した生活へと一変した。
○…神奈川県で１９９８年に開催された障がい者の国民体育大会で前理事長の岡村道夫さんと出会う。酒を片手に朝まで激論を交わす仲となり、障がい者の自立・社会参加を推進するための活動に火が付いた。岡村前理事長は同協会を設立。自身は社会参加が難しいとされる精神障がい者の自立を促すため、みなとみらいを拠点に地域作業所「アニミ」を開いた。
○…２０００年には３輪バイクで北米大陸一周に再挑戦。「自分の力でどうしても完走したかった」と13年越しの想いを実らせた。13年には脳内出血となり、身体の４分の３が麻痺。失語症も発症するなど多くのハンディがあるが、電動車いすを動かす手は止めない。「『障がい者』という呼び方ではなく、一人一人の名前で呼ばれる社会が将来くることを願っている。そのために今後も共生社会の実現に向け、活動していきたい」
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