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公開日:2020.12.24

コンビニでも「横浜ビール」
中区の会社 初の缶商品化

  • 念願の缶ビールを手に笑顔を見せる同社の横内さん

  • 青いラベルが目をひく「横浜ラガー」の缶ビール

 中区住吉町にあるクラフトビールメーカーの(株)横浜ビール(高橋智己代表取締役)が、12月22日から同社初となる缶ビールを販売する。県内のコンビニエンスストアを中心に出荷され、地元に愛されるビールを目指す。

 1999年創業の横浜ビールは、ビール文化発祥の地・横浜にあるクラフトビール会社として、一番古くからある醸造所。1つ1つの工程を醸造士が手作業にこだわってビール造りを行うほか、横浜の水源地である道志村の湧水や、瀬谷産小麦、綱島の桃を原材料に使うなど、地域の生産者や飲み手との関わりを大切にしてきた。

 これまで直営レストランなど飲食店での提供のほか、横浜土産や贈答用として瓶ビールを販売してきたが、重さや陳列スペースの関係からコンビニで取り扱われにくいため、10年ほど前から缶ビールの構想があったという。缶の製造や販路の目途がたった昨年から、創業20周年の記念事業として、本格的に缶ビール造りに乗り出した。

4醸造所がある街一層のアピールに

 販売について、同社マーケティング・メディア部部長の横内勇人さんは「地元の人に横浜のビールがあることを知ってもらいたかった。そのために手に取ってもらいやすいよう、身近で購入できるコンビニでの販売を実現したかった」と強い思いを語る。今回、缶ビールとして商品化した『横浜ラガー』は同社で一番の人気商品。スッキリした飲み口や柑橘を思わせるホップの芳醇な香りと苦味、モルトの香ばしさが特徴で「グイグイ飲みたくなる『旨苦さ』」だという。

 パッケージにもこだわり、横浜の海をイメージしたネイビーブルーをベースに、三代広重が描いた横浜浮世絵『横浜波止場ヨリ海岸通異人館之真図』をデザイン。「ヨコハマには横浜のビールがある」という同社の思いを入れたキャッチフレーズのフォントは「濱明朝」を使用。開港地の歴史や新しいみなとみらいなど、新旧のイメージを織り交ぜスタイリッシュに仕上げた。

 横内さんは、中区内だけでも同社を含めて4つのビール醸造所が密集していることをあげ「今後は横浜がクラフトビールの街であることをアピールしていきたい」と意気込む。今回の缶ビール発売もその一環とし「地元の人たちが横浜を誇れる商品として買っていただけたら」と話している。

 同商品は1本350ミリリットル318円税別(店頭希望小売価格)、県内のコンビニエンスストア約800店や百貨店、直営店のほか、順次ネットショップでも販売予定となっている。

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