本牧 気まぐれ歴史散歩 69 『同潤会住宅』 関東大震災からの復興住宅
同潤会と聞くと、今は表参道ヒルズとなった青山のモダンな建物を思い出す方もいれば、新山下にあった木造長屋建住宅を思い出す方もいると思います。同潤会とは関東大震災の罹災者救援のため、国内外から寄せられた義援金をもとに内務省が大正13年(1924年)に設立した組織です。東京や横浜などの罹災者支援の住宅建設や、職業技能指導のための授産施設の運営、託児所の設置などの事業を行いました。青山の鉄筋コンクリート造アパートも新山下の住宅も、もとは震災復興を目的として建設されたものでした。
新山下地区は、震災が発生する7カ月前に完成した埋立地で、震災時も大きな被害を受けなかったことから、横浜での震災復興の拠点のひとつとして救援物資の荷揚げや米軍による仮設医療支援の場となりました。同潤会はその新山下地区をはじめ、滝頭・大岡など横浜市内にも数カ所の住宅を建設しました。新山下地区に建てられた住宅は、老朽化により平成17年(2005年)までに取り壊され、すべて姿を消しましたが、南区には「大岡住宅前」というバス停があり、そこに同潤会住宅があったことを伝えています。
建物は今では一部が保存されているのみとなりましたが、多くの人々の支援のおかげで今の横浜が存在していることと感謝の気持ちは忘れずに持ち続けたいと思います。
次回は、本牧通りを越えて、ガス山通りを登っていこうと思います。(文・横浜市八聖殿館長 相澤竜次)
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