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公開日:2023.08.03

本牧 気まぐれ歴史散歩【番外編】
『祝!本牧市民プール リニューアルオープン』

  • 飛鳥田市長署名入り旧本牧市民プールのレリーフ

 本牧・根岸の海は、埋め立てしやすい広い遠浅の海と大型船舶も安全に航行することができる海底の深い谷(古東京川)があるため、明治時代からたびたび埋め立てが計画されました。しかし、関東大震災や不況・戦争が重なり、実施されることなく過ぎました。

 第二次世界大戦で日本が敗戦し、アメリカによる横浜中心部の接収が長く続いたことで、日本の他の地域で戦後の復興が始まる中、横浜の戦後復興は出来ないままとなりました。

 横浜市は海を埋め立てることで、横浜に日本の工業と物流の拠点を築き、財政を立て直そうと考えました。しかし埋め立ては自然豊かな海を失うことであり、漁業関係者の生活を犠牲にするものでした。埋め立て反対運動も起きましたが、最後には漁業関係者が子孫繁栄のためにと埋め立てに同意したことから、横浜沿岸部は埋め立てられていきました。

 本牧市民プールは、海を失った横浜市民ための代替施設のひとつとして昭和44年(1969年)に誕生しました。当時としては国内最大級規模のプールであり本牧で暮らす人たちはもちろんのこと、横浜市で暮らすたくさんの人々の憩いと思い出の場となりました。

 埋め立てられるまでの経緯が記され、プールで楽しんだ人たちとの笑顔を見守ってきた旧本牧市民プールのレリーフは現在、八聖殿で保管・展示しています。リニューアルした本牧市民プールも多くの人々の憩いと思い出の場となってほしいと思います。(文・横浜市八聖殿館長 相澤竜次)

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