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中区・西区・南区 人物風土記

公開日:2023.12.07

西区紅葉ケ丘の横浜能楽堂の芸術監督を務める
中村 雅之さん
西区在勤 64歳

古典芸能の魅力を発信

 ○…旧加賀藩主・前田斉泰邸にあった舞台を擁する横浜能楽堂。大規模改修に伴う休館の前に「歴史ある、誇れる場所を市民にも知ってほしい」と特別施設見学日を設け、初心者でも楽しめる見学ツアーを行う。

 ○…北海道苫小牧の出身。小学生の頃から歴史の本が好きな「歴史オタク」だった。大学進学を機に上京し、日本史を専攻。初めて能を観たのは大学時代のこと。歌舞伎や演劇など、気に入った作品は何度も鑑賞したという。民間企業に就職し10年が経ったころ、横浜市芸術文化振興財団が発足するのを知った。「古典芸能に関わりたい」と転職。能楽堂には1996年の開館前から携わる。より深く学びたいと、働きながら法政大学の大学院に通った。現在、明治大学大学院で教鞭もとる。

 ○…高校時代は演劇部に所属し、脚本と演出を手掛けた。「その時からプロデュースをするのが好き」と話す。公演を企画する際は、「こういうのが見たい」という構想を基に、誰が演じ、どのような演出にするのかを頭の中で描くという。インスピレーションの源は旅。高校生の頃には夏休みにお年玉とアルバイトで得たお金で2週間かけて山陰地方を巡ったことも。「妻や息子との旅行も全部のプランを立てる。旅行会社の人になれるかも」と笑う。他にも切手や骨董品など、多彩な趣味を持つ。

 ○…障害の有無にかかわらず楽しめる「バリアフリー能」や他国との文化交流・共同制作など、従来の古典芸能の枠を超えた企画を生み出してきた。横浜能楽堂として総務大臣賞など数多くの受賞歴がある。「芸術の世界だけでこもっていてはいけない」と敷居の低さをコンセプトの1つに掲げ、より多くの人へその魅力を発信し続ける。

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