本牧 気まぐれ歴史散歩 82 八王子 かつての社と今も流れる川
牛頭天王は災厄を鎮める仏教由来の神で、お釈迦様が説法を行っていた天竺にある祇園精舎という寺院の守護神です。牛頭天王と八大龍王の三女が結ばれ、生まれた七男一女の神のことを八王子と呼び、今も牛頭天王と同様に災厄を鎮める神として、全国で祀られています。東京都八王子市も市内にある八王子神社が自治体の名称の由来となっています。
現在の南本牧ふ頭はかつて荒洲と呼ばれる浅瀬の岩礁帯で、様々な方向から潮がぶつかってくるため、船の座礁や転覆などの事故が多く、海路の難所でした。浅瀬の岩礁帯にはたくさんの魚介類が生息しているため、漁師にとっては最良の漁場でしたが、航行は困難を極めました。運搬船は荒洲を避けるために、本牧岬から大きく南に旋回せねばなりませんでした。本牧の人々は海難事故が起きないようにと本牧岬に近い高台の中腹に八王子社を建立しました。同じ理由で横須賀や三浦・鎌倉の岬にも八王子社は祀られています。
本牧の八王子社は明治42(1909)年に本牧神社と合祀されましたが、八王子の名称は今も祭礼委員会や道路の名の中に受け継がれています。そして、実は今も八王子川という川が江戸時代とほぼ変わらぬ流路で流れています。暗渠となって道路の下を流れているのでご存知ない方も多いですが、今も雨水路として私たちの生活を守ってくれています。
次回は八王子川の上を歩きながら、八聖殿がある丘の方へ歩いていこうと思います。(文・横浜市八聖殿館長 相澤竜次)
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9月12日