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公開日:2025.08.28

岡野公園と神奈川公園結ぶ雨水幹線
横浜駅周辺の「浸水対策」進む

  • 岡野公園の立坑=写真上、横浜市提供=と防音壁に囲まれた外観

  • 整備工事の平面図(横浜市提供)

 8月に九州を襲った豪雨被害に象徴されるように近年、大雨の被害が甚大化・頻発化している。

 横浜市は横浜駅周辺の浸水対策を実施。雨水を河川や海に排水するための大型排水路「雨水幹線」の新設整備を進めている。

 現在、平沼高校向かいにある岡野公園=西区=と神奈川公園=神奈川区=の一角が、建物のような巨大な囲いに覆われている。下水道河川局の担当者によると、この囲いの中にあるのが、内径13mの大穴。両公園を雨水幹線で結ぶため、トンネルの掘削に使われる「シールドマシン」を地下深くに入れるための穴で、その深さは60mを超える。今年9月から、神奈川公園側からシールド掘進が始まる予定だ。

全長約4・9Km

 雨水幹線が整備されるのは神奈川公園から横浜駅の南側を経由し、西区の岡野公園につながる内径3・75m、全長約4・9Km。横浜駅周辺にあるポンプ場(平沼、桜木)をつなぎ、従来のポンプ場が帷子川や石崎川へ排水しきれなかった雨水の流入先として機能する。同幹線に流れた雨水は、星野町に今後新設される東高島ポンプ場から河口へと放出される。

30年に1度に備える

 この整備により、10年に一度の大雨(1時間あたり60mm)に対応した従来の体制から、30年に一度(1時間あたり82mm)に備えたものへと治水能力が強化される。また、老朽化した従来のポンプ場の整備に伴う代替機能も想定されている。

 シールド掘進は9月に始まり、2026年度中に岡野公園へ到達する予定だ。立坑周りの建物のような囲みは、掘進に伴う防音壁の役割を果たしている。並行して横浜駅周辺の道路上に埋設されている下水道管の増強工事も今年度から本格的に着手される。

21年前の台風が契機

 この計画の背景にあるのが、2004年10月に横浜市内に大きな被害をもたらした台風22号。横浜駅西口周辺で多くの地下施設が浸水し、一部の地下店舗では浸水が天井に達するなどした。

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