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公開日:2025.11.20

中区寿地区 市政報告
「ドヤ街」から共生のまちへ
自民党市会議員(中区) 松本 研

  • 寿地区高齢者調査の結果(令和7年度寿福祉プラザ相談室業務概要から抜粋)

  • 寿町周辺の航空写真(横浜市中区福祉保健計画より抜粋)

 寿町地区は、かつて「ドヤ街」と呼ばれた地域の一つです。昭和の高度経済成長期に多くの建設現場や港湾で働く労働者が全国から集まり、安価で宿泊できる簡易宿泊所が集積。最盛期には8千人以上の労働者が暮らす活気にあふれた地域で、時には争いごとも発生するなど、一般の方々が近づき難い地域でもありました。

変わる街の姿

 現在の寿町地区は、不法投棄されたごみの撤去や安全なまちづくりなど、行政と地域の人たちが協力して取り組んでいます。木造の簡易宿泊所が鉄筋コンクリート造りの高層建物へ改築されたり、一般集合住宅なども建設され、住環境が向上し、街の姿が大きく変わりました。しかし、今でも100軒以上の簡易宿泊所に約5300人が暮らしており、ほとんどが単身世帯で、生活保護を受給されている人も多くいます。高齢化率も50%を超え、全国の平均を上回っています。高齢者の中でも75歳以上が約半数を占め、介護を必要とする人も3割に達しました。労働者のまちから福祉ニーズの高いまちへと変容しています。

 横浜市では令和元年に「横浜市寿町健康福祉交流センター」を開設しました。寿地区に関わる子どもや高齢者、障害者、働く人たちがお互いに繋がりを感じられるまちづくり、日常的な健康づくり、病気や防災などに関する生活に必要な情報発信などを推進。寿の人たちが孤立しない生活の実現に向け、福祉施設や支援団体による見守り活動が活発に行われています。以前の閉鎖的なドヤ街のイメージから支援と共生の地域へと意識改革が進んでいます。

簡易宿泊所を学生寮に

 近年、外国人の姿も見かけるようになりました。寿地区の日本語学校に通う生徒たちのために、簡易宿泊所が学生寮として活用されています。400人前後の生徒が生活し、地域との関わりづくりにも積極的に取り組んでいます。

 先日寿地区の防災訓練に参加しました。福祉を必要とする人や支援者が、AEDの使用法や起震車での地震体験などに真剣な面持ちで取り組んでいました。日本語学校に通う生徒たちも参加し、災害発生時、簡易宿泊所に取り残された高齢者へ、避難物資を届けるなどの協力体制が築かれていました。これからも福祉を必要とする人と地域の人たちが支え合い、誰もが「寿に住んでいる」、「寿で育った」と堂々と言えるまちを目指して、共生のまちづくりが進められていきます。

松本研

横浜市中区宮川町2丁目44

TEL:045-261-2251

https://matsuken.hama1.jp/

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