中区・西区・南区 人物風土記
公開日:2026.10.08
地域社会での障害の有無を超えたつながりづくりに取り組む 岡村 正美さん 南区在住 51歳
笑って、前を向く
○…家族で始めた野菜栽培が活動の原点。重症心身障害のある現在21歳の息子の学校卒業を前に「失敗しても社会で挑戦できる場を」と2023年に「おかむら笑店」として野菜販売を開始した。客と関わると「シャキっとした表情をする」息子の姿や応援してくれる多くの人の存在に、障害のある人が地域に出て社会とつながる意義を感じている。野菜の加工品の販売や今年9月に関内で始めたランチ営業など、活動の幅を広げる。
○…1歳3カ月の時に息子が急性脳症を罹患。「もう一度歩いて、ママって言ってほしい」。その一心で全国の病院を回った。光が見えない中、障害児を明るく笑顔で育てる親と出会い、覚悟を決めた。その後、娘を授かった。「赤ちゃんできたよ、と息子に伝えるとにっこり笑ってくれた」と目尻を下げる。
○…娘の預け先での縁から保育士資格を取り、8年間働いた。さらに、福祉への理解を深めるため大学に通い直し、国家資格の社会福祉士を取得。短期大学の家政科を卒業後、アパレル会社などで働いた20代までを振り返り「人生の休憩時間だったのかも。子どもがもう一度人生を始めさせてくれた」。多忙な日々の活力はアイドル。「一度はライブに行ってみたい。推し活がしてみたい」とお茶目に話す。
○…保育士時代にさまざまな親子と接して「それぞれ生きづらさがあり、誰もが何かの当事者」だと感じた。だからこそ「障害者だけでなく、可能性を持った人たちと力を合わせて新たな世界を生み出すことができれば」と強く思う。遠隔操作ロボットでの接客、保護司が支援する若者との商品開発など、次の展開も見据える。誰もが自分らしく笑い合える社会を目指し、今日を駆け抜ける。
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