中区・西区・南区 人物風土記
公開日:2026.11.05
横浜シネマリンで映像作品の特集上映を行うアーティスト 永田 康祐さん 中区在住 36歳
日常探求が「ワーク」に
○…映像をはじめ写真やインスタレーションなどを制作し、美術館やギャラリーを舞台に活動してきた。映画館での作品上映は「じっくり見て、表現方法ではなく作品の中身にフォーカスしてもらえるのが新鮮」と話す。誰もが自分の経験と重ね合わせることができる「食」をテーマにした作品が多いのは「お堅く思える政治や社会のことも、日常の食卓に入り込んでいる」から。人間の営みが世界を変化させる姿を、時にユーモラスに描く。
○…愛知県出身。高校卒業後はデザイナーを志すも、両親を説得するため東京藝術大学建築科へ進んだ。大学院や大学職員時代はプログラミングを使った建築の設計支援システムの研究などに従事。クリエイティブな施工の現場を見たり、アーティストの友人と関わるうちに「自由に、批判的意識を持って物事を考え、表現したい」と思うように。27歳で藝大の映像研究科に入り、本格的に創作活動を始めた。
○…中区に住んで約10年。海に向かって散歩することが自宅での制作活動の気分転換になっている。元々食べることも作ることも好きで、パートナーとの毎日の食事は自炊が中心。横浜中華街や横浜橋通商店に行き、海外の食材を調達することも多い。「横浜に来て、知っている文化は一部なんだと感じた」。この街の風通しの良さが、固定観念に捉われない自身のスタンスを形づくる。
○…現在は日本と台湾の食文化の関わりや、戦後の食品流通の変化に関心を寄せる。家庭料理の「こうあるべき」を問い直すリサーチも進める。よりシンプルな料理を考え、自ら魚醤を仕込むなど日常探求は尽きない。「日々の感情や思いが作品になると考えると、ライフとワークの区別はない」さらりと話す。
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