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南区 コラム

公開日:2016.01.21

〈連載〉さすらいヨコハマ⑯
家での新年会
大衆文化評論家 指田 文夫

 2016年が始まり、職場や地域では、新年会が行われているに違いない。



 私の父は、東京で小学校の校長をしていたが、年明けには毎年、学校の教員を全員家に呼んで新年会をやっていた。母や姉たちがおせち料理の支度から酒まで出すのだから大変で(幼い私は用なしだったが)、今考えるとわが家で、一年最大の行事だった。お餅も年末に父たちが家で搗いていたのだが、半分はこの新年会で使っていた。



 数十人が来るのだから大事だが、唐紙を外すと大座敷になったので、そこでやって大騒ぎになり、最後はどこかで喧嘩が起きるものだった。



 母は、「これで年末のボーナスは全部なくなったものだ」と言っていたが、それも昔流の人事管理だったわけだ。父もなかなか大変だったのだな、と今は思う。

 

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