〈連載〉さすらいヨコハマ⑯ 家での新年会 大衆文化評論家 指田 文夫
2016年が始まり、職場や地域では、新年会が行われているに違いない。
私の父は、東京で小学校の校長をしていたが、年明けには毎年、学校の教員を全員家に呼んで新年会をやっていた。母や姉たちがおせち料理の支度から酒まで出すのだから大変で(幼い私は用なしだったが)、今考えるとわが家で、一年最大の行事だった。お餅も年末に父たちが家で搗いていたのだが、半分はこの新年会で使っていた。
数十人が来るのだから大事だが、唐紙を外すと大座敷になったので、そこでやって大騒ぎになり、最後はどこかで喧嘩が起きるものだった。
母は、「これで年末のボーナスは全部なくなったものだ」と言っていたが、それも昔流の人事管理だったわけだ。父もなかなか大変だったのだな、と今は思う。
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