母乳育児支援コラム28 抱いて、見つめて、話しかけて 保健師 朝倉 きみ子〈私を選んでくれてありがとう【2】〉
流産、死産、人工中絶をした母親や父親は精神的な大きなショックを受けます。
生前に目的果たす
私たちは生を受けることなく旅立ったと考えていますが、胎話士(胎児と話ができる人)の方たちを通じて子どもたちに聞くと、子どもは「ここまで育ててくれてありがとう」と残されたご両親にメッセージを伝えたがっているということです。
育児支援の現場「おしゃべりサロン」でこの話を聞いてくださったお母さんが「1人目の子どもを亡くしました。そのことがいつも心に引っかかっていたのですが、心が軽くなりました」と涙ぐんで話してくださいました。赤ちゃんはどんな状況でも丸ごと事実を受け止め、お母さんとお父さんに感謝しているのですね。
赤ちゃんは分かる
赤ちゃんは全てのことが分かっています。「赤ちゃんはまだ何にも分かっていないのだから。少しぐらい泣かしておけばいいのよ」と言って無視していると、子どもは泣き続けます。子どもが泣くのは、大人が子どものことを理解できず、思いがかみ合っていない時です。しっかり子どもの目を見て、じっくり話しかけてみてください。
子どもたちに「なぜ私たちは生まれてきたのか」と聞くと、例外なく「人の役にたつため」と答えるそうです。「人の役に立つよう
な人間になるため」の子育てが私たちには求められていると思います。
小さな赤ちゃんも一人の立派な人間であることを理解した上で、私たちは毎日の子育てに関わっていきたいものです。
「大好きなお母さん!私はあなたを選んでこの世に生を受けました。お父さん、お母さん、私をこの世に送りだしてくれてありがとう」と言葉が話せればメッセージを伝えてくれているはずです。
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