山王台幼稚園園長で市幼稚園協会南支部長を務める 田野岡 由紀子さん 永田山王台在住 65歳
あふれる愛情で園児包む
○…42年前に父が開園した幼稚園で当初から勤務。2002年から園長を務める。開園時から園児に伝えてきたのは命を大切にするということ。地震などの災害に備えて行う避難訓練や防犯訓練では、園児に「世の中で一番大切なものは何?」と問いかけて命の尊さを知ってもらう。「最初は訓練中に鳴る非常ベルに驚いて泣いていた子どもが、今では率先して机の下に避難している」。園児の成長が見られる瞬間が嬉しくてたまらない。
○…永田山王台で農家の家に育つ。中学生の時、青少年指導員だった父が指導する子供会で小学生をまとめるジュニアリーダーになった。「将来は子どもと関わる仕事がしたい」という思いが芽生える。短大で保育を学び、市内の幼稚園で3年間勤務。担任を受け持って「職員の苦労や思いを感じることができた」と言い、毎日必死になって園児のカリキュラムを作成する現場スタッフの気持ちは、園長になった現在も忘れないように心掛ける。
○…園児を毎朝、門の前で迎えるのが歴代園長の日課。30分以上立ち、登園する子どもと笑顔で握手を交わす。ハイタッチする子、不機嫌そうに目を背ける子など、さまざまな顔を見せる子どもとの一日のスタートは大好きな時間だ。「次第に表情を読み取れるようになってきた」と嬉しそうに笑う。
○…夫は幼稚園と同じ学校法人が運営する保育所「風の子こども園」で施設長を務める。毎年夏は一緒に旅行に出掛けるのが定番だ。近くに住む長女と幼い2人の孫娘とは「レストランに行って一緒にご飯を食べたり。普段は普通のおばあちゃん」とほほ笑む。今年度は区内14園が加盟する横浜市幼稚園協会南支部長に就任。市協会では幼児教育振興部長を務めるなど、信頼は厚い。「園児が持つ良いところを褒めて伸ばしてあげたい」。人一倍の愛情と思いやりで今日も子どもたちを迎える。
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