心臓の難病を抱え、渡米して心臓移植手術を待っていた井土ヶ谷上町の会社員・森川孝樹さんと佳菜子さんの長女・陽茉莉(ひまり)ちゃん(1歳10カ月)が11月14日(現地時間、以下同)に手術を受けた。陽茉莉ちゃんは渡米直後に脳の出血が見つかり、命の危険もあったが、その後回復し、心臓移植を受けられるまでになった。支援者によると経過は良好だという。
陽茉莉ちゃんは生後2カ月で突然呼吸困難を起こし、心臓の筋肉が広がっていく難病の「拡張型心筋症」と診断された。これまで、補助人工心臓で命をつないできたが、長期間の装着はリスクが大きいことから、早期の移植手術を目指していた。支援者が「ひまりちゃんを救う会」を結成し、6月下旬から募金活動を始め、手術に必要な2億9500万円を集めた。
脳出血も回復
陽茉莉ちゃんと両親らは手術を行う米国・ニューヨーク州のコロンビア大学へ向けて10月25日にメディカルジェット機で渡米。救う会によると、27日に米国の心臓移植待機リストに登録し、ドナーを待つ状況となった。しかし、28日に脳に多量の出血があることが分かり、命の危険もあることから、出血を取る手術が行われた。手術後の様子を慎重に観察。回復の兆候が見られ、ドナーが見つかったことから移植手術が11月14日に行われた。
経過は良好
救う会のホームページでは「手術室に入っていく娘を見送った約10時間後に、新しい尊い生命を授かり、娘が無事に戻ってくれました」と両親のコメントを紹介している。手術の拒否反応が強いとされる術後3日が経過した後も、心臓の機能やそのほかの数値が安定していることも報告されており、経過は良好。日本時間18日のホームページには、数多くのチューブが取り付けられながらも、力強く目を開く陽茉莉ちゃんの写真が掲載された。これに対し、両親は「鎮静状態には変わりはないのですが、時折、起きた時に見せてくれる表情はとても穏やかですが、力強さを感じます」とコメントした。
「2人の命を大切に」
孝樹さんによると、手術後半年間は現地で経過を観察する必要があるという。帰国はその後となる。
両親は救う会のホームページを通し「陽茉莉の中に宿って下さったドナー様と陽茉莉、2人の命を大切に守っていきます」とコメントしている。
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