川崎市の京急八丁畷駅そばの踏切で4月15日、踏切内にいた人と助け出そうとした2人が電車にひかれた死亡事故を受け、京急電鉄は緊急時の対応として「非常ボタンを押してほしい」と呼びかけている。今年2月には弘明寺駅そばの踏切でも死亡事故が起きており、不幸な事故を未然に防ごうとしている。
八丁畷駅の事故は、遮断機が下りた踏切内にとどまっていた人を助けようと、通りかかった男性が踏切に入ったものの、快速特急の電車にひかれてしまい、2人とも死亡した。
この事故では、踏切そばに設置されている非常ボタンは押されていなかった。京急電鉄は遮断機が下りた踏切内に人や車がいるのを見つけた場合は「非常ボタンを押して、電車の運転士に知らせてほしい」としている。
京急によると、全線で90カ所ある踏切のすべてに非常ボタンが2カ所以上設置され、大きな踏切には4カ所ある。警報機や遮断機の脇にあり、赤字で「非常ボタン」と書かれている。
運転士に信号
非常ボタンを押すと、発光信号機が赤色に点滅し、運転士に踏切の異常を知らせるようになっている。
京急では2016年度、非常ボタンが押されたケースが81回あった。ボタンを押したことによって、重大な事故を防げたこともあるという。
南区内には弘明寺駅そばと井土ヶ谷駅―南太田駅間の2カ所に踏切がある。弘明寺駅そばの踏切は幅約15mと比較的小さいが、人や車の往来が多い。
2月に弘明寺でも
今年2月9日には、弘明寺駅そばの「井土ヶ谷第1踏切道」で遮断機が下りた状態の踏切に入った高齢の女性が快速特急にはねられて死亡する事故があった。京急によると、事故の際、非常ボタンは押されていなかったという。
この踏切の四隅に非常ボタンが計4カ所あり、いずれも地上から約1m20cmの所に設置されている。
京急は現在、自社のイベントでボタン押しの模擬体験などを行っている。緊急時の正しい対処法に関しては「今後の啓発方法を検討する」としている。
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