六ツ川1丁目の「トミーズカフェ」を経営する山田ベンツさんが、障害児の日常に密着したドキュメンタリー動画を制作し続けている。4月に新作が完成し、山田さんは「健常者と障害者の間にある目に見えないバリアを取り除きたい」とドキュメンタリー動画を通して共生社会の実現を目指す。
「心の壁」取り除く
山田さんは、東京五輪・パラリンピックへ向けて、障害がある子ども150人が150の大使館を訪問し、障害への理解を求める「2020年ジャパンバリアフリープロジェクト」を企画。昨年8月に神奈川県庁に黒岩祐治知事を訪問し、「バリアフリー」をテーマに障害者が生活しやすい環境作りを話し合うなどしてきた。
息子の難病契機に
山田さんの長男・盛松君には重度の心臓疾患があり、障害児の父親として「子どもたちの可能性と家族の力を社会に発信したい」と2018年から難病と闘う子どもとその保護者らの日常を紹介する動画を作り始め、「You Tube」で発信している。
4月に完成した17作品目のドキュメンタリー動画に登場するのは、市立東俣野特別支援学校=戸塚区=に通う古川結莉奈さん。筋力が徐々に弱っていく難病「先天性ミオパチー」を患っている。
病気によるハンデキャップをものともせず、自分の夢や目標に向かって前向きに生活する古川さんと母親のインタビューを15分の映像にまとめた。山田さんは「障害のある子どもが将来的に社会で活躍できるよう、まずは周囲に障害への理解を深めてもらいたい。今後も動画制作を続けて地域に発信していければ」としている。
山田さんはパラスポーツの普及にも貢献しようと、経営するカフェにパラリンピックの正式種目「ボッチャ」のコートを設置。ボールを目標球に近付けるよう投げるというシンプルなルールで誰もが体験できる。
新型コロナウイルスの感染が広がる中、山田さんは「私たちはウイルスという巨大で未知な障壁、すなわち”バリア”と戦っている。それを乗り越え、日本の未来を切り拓く上で、古川さん親子の生き様、そして言葉は大きな示唆を与えてくれると確信している」と語っている。
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