新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、人が集まる催し物の中止が相次ぐ中、睦町の工務店「あすなろ建築工房」がウェブ上でモデルハウスや完成物件の見学ができるサービスを始めた。

”３密”避けるツール

　緊急事態宣言が４月７日に出されたことを受け、同社も物件見学会や住まいに関するセミナーの開催を見合わせた。

　しかし、先が見えない外出自粛による自宅待機が続く中、「リモート（遠隔）で情報を得る機会が長期的に必要になる」と考え、インターネット上での物件見学会の開催を決意。「密閉」「密集」「密接」の３密状況を作り出さない新たな戦略として確立した。

　４月25日、同社が六ツ川に建てたモデルハウスのウェブ見学会には、ＳＮＳやホームページから申し込んだ80人が参加。Ｗｅｂミーティングアプリ「Ｚｏｏｍ」を使い、約２時間、画面を通してモデルハウスの説明を行い、家にまつわる個別相談にも対応した。

情報の選択肢拡大

　25日の見学会を終え、関尾英隆社長は「音声と映像にずれが生じたので改善したい。自粛のまま先細りするのではなく、家の専門家として有益な情報を地域に提供していければ」と反省点と展望を語った。

　同社は今後、ウェブ見学会やセミナーのほか、「ＹｏｕＴｕｂｅ」での動画配信なども検討し、インターネットやＳＮＳを多面的に活用した事業を展開していく。