中区や西区、南区を中心に運行する「アサヒタクシー」(本社・中区山元町、藤井嘉一郎社長)が6月から飲食店と連携し、弁当などを配達するサービスを始めた。新型コロナウイルスの影響で利用客が激減するタクシー会社にとって、配達代行が新たな収入源になるか注目されている。
法律により、タクシーは貨物を有償で運ぶことが認められていなかったが、4月下旬、国土交通省が特例として、申請のあったタクシー会社に配送を認めることにした。
売上3分の1
アサヒタクシーは山手営業所=中区山元町=に約50台の車両を所有。藤井社長によると、現在でも日中の売上はコロナ禍前の半分程度。稼ぎ時の夜は3分の1にとどまっているという。苦境の中、特例措置を知り、申請を出して認められた。
金融機関の紹介を受け、中区日本大通、太田町にあるフランス料理店「レストランアルティザン」「ロティスリーアルティザン」と本郷町のうなぎ店「川京」の商品を配達することになった。「レストランアルティザン」は3月末からテイクアウトやデリバリーを開始。5月末まで営業時間を短縮してきたが、6月から通常営業に。それに伴い、配達に対応できるスタッフがいなくなったため、タクシーでの配達を依頼することにした。
利用客はまず店に注文。店から連絡を受けたアサヒタクシーが利用客に配達先を確認する仕組み。同店の場合、料金5千円以上からデリバリーが可能。配達料は3Km圏内は1千円、5Km圏内は1500円。南区の場合、3Km圏なら吉野町、5Km圏なら蒔田駅付近までが対象になる。
同店では複数人で楽しめる野菜や前菜と肉の盛り合わせボックス(2〜3人前、6500円から)がよく注文される。この日は、中区内の会社の昼休みに11人が参加して開かれる社員の誕生日パーティーのために商品が運ばれた。乗務員が店へ行き、食事セットをケースに入れ、ワゴンタイプの車で運んだ。
自前配達期間中、道に迷うことが多かったという同店の佐藤剛さんは「道を知っているプロに配達してもらうのは安心。今まで店に足を運んだことがない方の利用も期待したい」と話す。
始めたばかりで1日の利用はまだ数件だが、藤井社長は「協力していただける店舗を増やし、より良い方法を見つけたい」と話す。特例措置の期限は9月末だが、恒久化も検討されている。
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