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南区 社会

公開日:2020.07.23

コロナで変わる地域活動<5>
障害者に「生活様式」伝える
当事者団体、ポスターで

  • 制作した「あたらしい おやくそく7」

 「新しい生活様式」に沿った行動方法を知的障害者にどう伝えるか--。南区で活動する「障がい児(者)の将来を考える会『泉の会』」の有志で、障害の理解啓発を進める「Kokua」が知的障害者が分かりやすいような、感染予防策や外出時の注意点をまとめたポスターを作った。

 ソーシャルディスタンス(社会的距離)の確保やマスクの着用など、生活がこれまでとは一変し、「新しい生活様式」を理解しづらい人にとって、外出することさえままならない状況が続く。

 知的障害者の母親でKokuaのメンバーである伊藤里香さんは「マスクを自分で着けられない人もいて、慣れないことに戸惑っている様子が見られる」という。

文字が多過ぎ

 店舗や施設など、街中には感染予防に関するさまざまな注意書きがあふれているが、知的障害者にとって、「文字が多過ぎて、理解が難しい」という。さらに、「そこには書かれてない『暗黙の了解』のようなことも増えている」と伊藤さんはいう。そこで、外出時や家庭内で気を付けるべき点を7つにまとめ、「コロナをやっつけるためのあたらしい おやくそく7」というポスターを作った。▽マスクの着用▽人と離れて小さな声で話す▽いろいろな所を触らない--といった注意点を分かりやすいイラストと一緒に紹介。多くの人に知ってもらおうと、南区障がい児者団体連絡会を通して地域作業所などにも配布した。紙芝居の制作も検討している。

 コロナ禍で今までは1人で外出できていた知的障害者が保護者同伴でないと出かけられなくなったり、外出しなくなった人もいるという。伊藤さんは「障害者が学んで、社会の中で問題のないように過ごすための努力をしていることを知ってほしい」と訴えている。

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