南区在住の落語家・桂枝太郎さん(42)(本名・佐々木修市)=人物風土記で紹介=が8月に南消防団(有賀和彦団長)に入団した。枝太郎さんは2018年に亡くなった桂歌丸さんの最後の弟子。真打の落語家が消防団入りするのは市内初。枝太郎さんは「お世話になっている南区で歌丸師匠のようにご恩返しがしたい」と意気込み、消防団も枝太郎さんの知名度や発信力に期待している。
枝太郎さんは岩手県出身。1996年に桂歌丸さんに弟子入り。それと同時に師匠が暮らす南区に住み、現在も白妙町で暮らす。2009年に真打に昇進し、寄席だけでなく、テレビのリポーターなどとしても活躍している。
歌丸さんや一門を支援している横浜橋通商店街の高橋一成理事長が南消防署からの依頼を受け、6月に熱中症予防を呼び掛ける横断幕を商店街に掲示。高橋理事長は呼び掛けのアナウンスを枝太郎さんに依頼した。それがきっかけで消防団に関心を持った枝太郎さんは、高橋理事長の後押しもあり、入団を決めた。南消防署によると、市内の消防団に真打の落語家は在籍しておらず、「全国の消防団でも聞いたことがない」という。
8月4日に南消防署で入団辞令交付式があり、消防団の有賀団長から辞令を受け取った。枝太郎さんは決意表明で「岩手から出てきて、横浜、南区に育ててもらった。師匠が住んでいた南区に恩返しがしたいと思っていたところに消防団の話をいただいた」と語った。その上で「自分のツイッターがよく炎上するので、火消しは得意」と笑わせ、最後は「消防団員とかけて、よく効く胃酸と解く、その心は『消火(消化)が得意です』」となぞかけで締めた。
枝太郎さんは第二分団に所属。消防団の訓練は日曜日に行われることが多く、寄席と重なることが予想されるため「どれだけ訓練に参加できるか分からない」としながらも「今はコロナで寄席も少ないので、タイミングが合えば」としていた。
消防団の有賀団長は「すでにアナウンスにも協力していただき、消防団にとって大きな力になる」と”新戦力”に期待を寄せた。南消防署の小出健署長も「枝太郎師匠の知名度はとても高く、広報活動などに参加してもらえれば嬉しい」としていた。
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