戻る

南区 社会

公開日:2020.10.08

コロナで変わる地域活動<8>
声出さず 募金呼び掛け
「赤い羽根」寄付者減の懸念

  • 蒔田駅前で活動する蒔田地区の民生委員(1日)

 「赤い羽根共同募金」の運動が10月1日から全国一斉に始まった。これまでは、街頭に立った民生委員らが声を出して協力を呼び掛けていたが、今年は新型コロナウイルスの感染防止のため、声を出さず、例年とは異なる方法での活動となった。関係者からは「これでは募金が集まらない」と嘆く声も聞かれる。

 共同募金運動は、地域福祉の推進を図るために行われているもので、例年、10月1日から12月31日までを運動期間としている。運動初日の10月1日は全国で民生委員らが駅前やスーパーの店頭などに募金箱を持って立ち、寄付者に赤い羽根を手渡している。

紙で活動紹介

 南区では毎年、各地区の民生委員が活動している。今年は感染拡大防止のため▽街頭で呼び掛けの声は出さない▽募金箱を持つ人はフェイスシールド、羽根を渡す人はビニール手袋を着用する--などの対策を定めた。

 1日午後、地下鉄蒔田駅の出口には南区民生委員児童委員協議会の栗田一伸会長ら蒔田地区の民生委員が立っていた。これまでなら「赤い羽根共同募金にご協力をお願いします」と声を出して通行人に呼び掛けていたが、今回は共同募金の目的や使い道を記した紙を胸のあたりに掲げるだけにとどめた。

 活動は例年より時間を短くし、約1時間で終了したが、募金に協力したのは数人にとどまった。栗田会長は「今までなら歩いている人の顔を見て声をかけると、募金をしてくれたのだが、この方法では寄付は集まりづらい」と話す。街頭募金の開催判断を各地区に委ねたため、実施しない地区もあった。

 民生委員の中には国勢調査の調査員を務める人も多く、9、10月はその活動と並行して募金の呼び掛けを行う。日常的に行っていた高齢者宅の訪問もコロナ禍で手紙や電話に切り替えるなど、対応に追われている。

 共同募金の寄付金は、子育てや高齢者の支援に使われる。栗田会長は「この状況だからこそ、さまざまな人を支援するために、募金に協力してほしい」と訴える。

  • LINE
  • X
  • Facebook
  • youtube
  • RSS