〈連載〉さすらいヨコハマ46 初詣と恵方参り 大衆文化評論家 指田 文夫
年中行事で一番にぎやかなのは、正月だろう。初詣は、そう以前からあったものではない。鉄道、バスなどが発達していなかった昔は、遠くの神社仏閣まで、普通の庶民が行くことは難しかった。その代わりが恵方参りで、近くのお宮やお寺に行った。
永井荷風の小説『踊子』では、戦前、浅草の踊り子とバンドマンの夫婦が正月に近所に恵方参りをしている。この時期、話題になる恵方巻は、関東にはなかったはずで、ちらし寿司を食べるのが普通だったと思う。私も、なんだと思った恵方巻だが、食べると結構おいしく、毎年食べている。(文中敬称略)
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