横浜橋通商店街(高橋一成理事長)で2月13日、秋田県湯沢市の小学生が米の粉を使って作った「犬っこ」と呼ばれる人形を買物客に配布するイベントがあった。昨年9月に就任した菅義偉首相が湯沢市出身であることから、同市が商店街に持ち掛けたもの。湯沢では魔よけとして旧小正月に飾られる人形を手にした買物客は湯沢の民俗文化に関心を寄せていた。商店街はコロナ収束後の物産展開催も視野に入れており、交流を続けていく。
400年続く風習
湯沢市では毎年2月に「犬っこまつり」という秋田県を代表する行事が行われている。市によると、400年以上前、白昼に人家を襲う大盗賊を殿様が退治し、再び悪党が現れないように、米の粉で小さな犬や鶴亀を作らせ、旧小正月の晩に家の入口などに供えたのがまつりの始まりとされているという。
まつりでは、雪で犬の像が作られるほか、地域の小学生が作った「犬っこ」を来場者に配ることもしている。愛犬家が集うまつりとしても知られ、昨年は2日間で16万5千人が訪れた。今年も2月13日、14日に開催が予定されていたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中止となった。
冬の観光の目玉を失った同市は、まつりの代わりに湯沢を多くの人に知ってもらおうと考え、同市出身である菅首相の選挙区にある横浜橋通商店街の存在を知り、商店街での企画を打診。商店街が快諾としたことから実現した。
同商店街は地元選挙区選出の菅氏が首相就任の際、祝福メッセージを入れた横断幕をアーケードに掲げたり、紅白まんじゅうを配布するなどし、新聞やテレビで全国に紹介された。湯沢市の関係者も報道で商店街を知ったという。
小学生が米粉で130個作る
「犬っこ」作りは湯沢市内の小学生が担当した。米粉を湯で練り、犬の形にし、赤や黄色の生地でしめ縄を表わした。手のひらに乗るほどの大きさで、児童が作った130個が商店街に送られた。
13日、商店街事務所で買物客に配布した。犬っこと、まつりについて説明したチラシ、湯沢市の観光ガイドブックをセットにして渡した。
受け取った人は「犬っこは知らなかったが、魔よけになるなら家に置きたい」と話した。秋田県出身の女性は「子どものころから犬っこは見慣れているが、横浜の人にも知ってもらえて嬉しい」と喜んだ。
商店街の高橋理事長は「湯沢の産品を商店街で販売することも考えたい」と今後も交流を続けたいとした。
湯沢市の担当者は「コロナが収束したら、横浜、南区の方にもぜひ湯沢に来ていただき、犬っこまつりも楽しんでほしい」と語っていた。
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