市立日枝小学校(住田昌治校長)の3年生が校庭に遊具を設置しようと取り組んでいる。児童の思いを知った同窓会や地域住民が資金集めに協力し、一部の遊具が3月18日にお披露目された。クラスが替わる4月以降も取り組みを続け、滑り台の設置を目指す。
3年1組の38人は昨年、総合学習の時間で地域の魅力探しをする中、公園にある遊具の楽しさを感じた。担任の泉裕子教諭は「一斉休校もあり、思う存分、外で遊びたいという児童が多くいた」と振り返る。
同校は昨年、遊具の一部を安全基準の関係で撤去したこともあり、児童は新たな遊具を設置できないかと考えた。校内アンケートなどの結果、遊具は滑り台が良いという結論に達した。
こうした児童の動きを知った同校同窓会や地域住民から、ふるさと納税制度を使った支援策が示された。同制度には横浜市への寄付金を特定の学校の備品購入などに充てられる仕組みがある。これを活用し、遊具設置の資金が集められた。設置には約200万円が必要だという。
児童は遊具製作メーカー「日都産業」=東京都=と交渉。自分たちが考えたデザインを提案し、アドバイスを受けながら構想を固めていった。
資金の一部を使い、まずはロッククライミングの遊具を作れることになった。児童のデザインを取り入れ、同校のマスコットキャラクター「ひえまる」入りのクライミング遊具を既存のジャングルジムに取り付けた。
18日にお披露目式があり、同窓会関係者らが招待された。児童は「この遊具で遊んでもらい、みんなが笑顔になってほしい」と話した。日都産業の担当者は「子どもの発案から学校遊具を作ったのは初めて」と児童の行動力に驚いたという。
目標とする滑り台の設置へ向けた資金集めは継続しており、4年生に進級し、クラス替え後も取り組みが続く。泉教諭は「子どもたちは数々の難題にも前向きに取り組むようになった」という。住田校長は「コロナ禍で地域から『学校や子どもの活動が見えづらい』という声が聞かれる中、こうして形になったことは大きい」と遊具が学校と地域をつなぐ役割になったことを喜んだ。
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