中区長者町5丁目にある「横浜伊勢佐木町ワシントンホテル」が2021年末で営業を終了することが決まった。現在、同ホテルは新型コロナウイルス感染症の無症状・軽症者用の宿泊療養施設として神奈川県に貸し出しており、一般客の利用はできない。県への貸出終了と同時に31年間の営業を終えて閉館する。
同ホテルは1990年に開業。「ホテル椿山荘東京」や「箱根小涌園」などを手掛ける藤田観光=東京都=が運営する。市営地下鉄伊勢伊勢佐木長者町駅そばにあり、客室数は399、利便性が良いため、ビジネスや観光、ショッピングの拠点として多くの客をもてなしてきた。
コロナ禍以前は中国人を中心に外国人ツアー客の宿泊施設としての利用も多かった。南区に近い場所にあることから、区内の町内会や団体の新年会に使われることもあった。2階のレストラン「アクアマリン」ではランチバイキングがあり、にぎわいを見せていた。
営業終了決定について同社の担当者は「賃貸借契約期間の満了によるもの」と説明する。今後の活用は未定。桜木町にある「横浜桜木町ワシントンホテル」は営業を継続している。
地元から惜しむ声
営業終了に伴い、地元からは惜しむ声が聞かれた。中区曙町にある生花店「花松」(横山慶子代表)は、同ホテルの花卉(かき)の仕入れを開業時から担当。毎年夏にアレジメント教室の会場としても使用していた。横山代表は「ホテルの開業当時は関内やみなとみらいにもホテルが少なく、シンボル的な建物だった。長年付き合いがあり、教室後にみんなでランチを食べるのが楽しみだった。営業終了は残念」と話す。付近の住民も「地元の人は親しみあるホテルだった。これから寂しくなる」とホテルへの思いを話した。
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