5月から南火災予防協会の会長に就任した 島田 秀世さん 蒔田町在住 68歳
縁と出会いを力に
○…飲食店や福祉施設、工場など会員約180社が加盟するトップに就いた。「これだけ大きな組織は南区になかなかない。この規模を生かしたい」と火災予防の啓発活動などに力を発揮したいと熱っぽく語る。
○…2016年に新潟・糸魚川で起きた住宅や店舗など約150棟が延焼した大規模火災は強風が被害を広げた。当時の南消防署長から聞いた「あの時、糸魚川と同じ強さの風が横浜でも吹いていた」という話が忘れられない。「南区も糸魚川と同じような木造住宅密集地が多い。同じことが起きても不思議ではない」と感じた。今年度からは町内会長になり、「消火栓を使った初期消火などの実践的な訓練を進めたい」と足元から防災意識を高めていく。
○…創業137年の旅館「松島」の社長。北海道北部の古丹別で高校まで過ごし、当時の電電公社で働くために横浜へ。予算管理を行う部署で数百億円の工事費を扱っていた。四半期ごとに膨大な報告書をまとめるため、部署の面々が泊まり込みで仕事をしたのが「松島」だった。連日、深夜まで続く書類作り。「今でも電卓を打つのは速いよ」と笑う。そこで現在は旅館の女将を務める妻の紀子さんと出会って結婚。「何かの縁だね」といい、後に公社を辞めて旅館に入った。
○…横浜では唯一の修学旅行生を受け入れられる旅館。「子どもたちに楽しい思いをさせてあげたい」と学校側の要望に最大限応えようとする姿勢が信頼され、年間60校を受け入れていた。しかし、コロナ禍で昨年はわずか1校に。「旅館では多くの出会いがある。いい商売」と前を向く。「楽しんで人の役に立てるようにしたい」と苦境の中でも試行錯誤を続け、事業者の立場から南区の安心・安全を守る。
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