〈連載〉さすらいヨコハマ48 雨の季節 大衆文化評論家 指田 文夫
6月は、雨の季節で、梅雨である。雨が続くと気分が落ち込むが、田植えなど農業には大事なものである。以前、ラジオの番組では「6月は雨の季節なので、雨の歌を」選曲したものだった。
雨の映画と言えば、黒澤明監督の『七人の侍』で、最後のシーンの豪雨は本当に凄い。黒澤は、「アメリカ映画には、雨はない」とのことで、自信を持ってあのシーンを演出したらしい。昔、新東宝という映画会社があったが、社長の大蔵貢は雨が嫌いで、脚本にあるとカットさせたとのことだ。日活には、雨の題名が付く映画が多く、大ヒット曲『アカシヤの雨がやむとき』も浅丘ルリ子主演で作られているが、これは大した作品ではなかった。因みに、西田佐知子は、石原裕次郎の映画『ジャズ娘誕生』に出ている。だが、雨の映画で一番有名なのは、日本ニュース177号1948年10月の「学徒出陣壮行会」だろう。(文中敬称略)
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