6月に創立130周年を迎えた唐沢の園芸会社、横浜植木株式会社の記念誌「横浜植木物語」が誠文堂新光社から出版された。日本人商社として初めて植物類の輸出業務を行った同社の功績や出来事、地域での取り組みなどが約400ページに詰め込まれている。
400ページ超に綴る
同社は1891年創立。海外交易が盛んではなかった明治中期から植物類の輸出入業務を行うなど、各国の園芸文化に影響を与えてきた。
記念誌には主に明治、大正、昭和期の功績を紹介。1964年の東京五輪時に開花調節技術で咲かせたテッポウユリで競技会場を彩ったエピソードなどが書かれている。416ページ、4400円(税込)。
公園を管理
同社は本牧山頂公園=中区=、富岡西公園=金沢区=など、市内9カ所の公園を指定管理する。地域貢献活動の一環として、管理する公園の清掃を社員が行うこともあり、自然に対して敬意を払う。
新型コロナウイルスの感染拡大前は夏休みに子ども向けの花植え体験会を実施し、現在は地域住民の健康増進やストレス解消を目的としたヨガを主催。公園を地域交流の拠点として活用する。
災害対策、教育支援も
2014年、会社のある中村地区連合町内会との間で覚書を締結。南区初となる企業と町内会の災害時協力体制で、火災が発生した場合、住民の避難誘導などを行う。町内会と合同で行う消火訓練などで連携を深める。消防団協力事業所に認定され、2人の社員が団員として活動に励む。
また、近隣の学校との関係構築に注力。市立石川小学校の水田の改修工事を担当し、2年前に田植えを指導。児童に米作りのノウハウを教え、農業の魅力を発信した。
同社の伊藤智司社長=人物風土記で紹介=は「地元の皆さんあっての130年。環境や教育分野におけるSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みを進め、地域を笑顔にできる企業を目指していきたい」と話し、新たな歴史を築いていきたいとしている。
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