南防犯協会の事務局長で、特殊詐欺などの犯罪防止に努める 廣山 典子さん 大岡勤務 54歳
つながりが安心生む
○…警察と住民の架け橋となって12年。振り込め詐欺などの特殊詐欺への注意を呼び掛ける組織を縁の下から支える。長年の地道な活動もあって、顔見知りの住民も少なくない。「皆さんに顔を覚えてもらい、詐欺被害の予兆などを気軽に相談してほしい。被害に遭ってからでは遅いから」と強く呼び掛ける。
○…大阪と愛媛で育ち、高校卒業後に神奈川県警に採用された。いとこが巻き込まれた交通死亡事故を対応した警察官が親切だったことが進路選択を後押しした。何かの運命なのか、配属された川崎警察署で初めて任されたのが交通指導係だった。その後は薬物銃器対策係の刑事を務めるなど、凶悪事件を追った。「仕事で困った時に助言をくれる女性警察官の先輩方が頼もしかった。犯人に威圧感を与えず、話を聞き出すスキルなどは女性の強みだと思えて自信が持てた」
○…26歳で県警を退職し、3人の子育てに専念。小学校でPTAの副会長などを経験し、子どもたちを見守った。「未成年の犯罪や非行は、子どもが社会のルールを知らないことから起こる。周りの大人には彼らを正しい道に導く責任がある」と話し、まち全体での教育が大切だという。学校で数々の役員を務めたことが地域と「顔の見える関係づくり」に取り組む入口になったとも。
○…子育てが一段落した2009年から南防犯協会を支える。「各連合町内会の皆さんとは、正直な意見を言い合えるまでの長い付き合いになった」と微笑む。南区で発生した犯罪の種類や被害の予防策を分かりやすく、各町内の掲示板で発信する「地域安全ニュース」の編集は元警察官のノウハウが活かされている。地域に寄り添い、「犯罪が少ない平和な南区」の実現を目指す。
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