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南区 人物風土記

公開日:2021.09.30

9月16日付で南警察署の第81代署長に就任した
北村 正(まさし)さん
大岡在住 59歳

尊い命、優しさで守る

 ○…警察で働き始めて40年。署長の職務は泉区、金沢区と続き3カ所目となる。「思いやりを絶やさない」が信条で、住民に寄り添う姿勢は新人時代から変わらない。「警察官は社会のお手本になる責任がある。常に一歩、二歩先を見て、皆さんの役に立てる存在でいたい」と誠実に語る。

 ○…川崎市出身。中学2年のころ、パトロールをする警察官の制服姿に憧れを持ち、高校卒業後に迷わず警察学校に入学。1982年、瀬谷警察署に配属された。23歳の時、機動隊員として日航ジャンボ機墜落事故の救出活動を行った。それから20年後、事故現場となった御巣鷹山の尾根の慰霊登山に参加。墜落地点に建てられた「昇魂之碑」の前で犠牲者520人に祈りを捧げた。この事故を機に「尊い命を守りたいという思いがさらに強くなった」

 ○…コロナ禍で二輪車の需要が高まったとされ、オートバイなどの死亡事故を懸念する。「親からもらった大切な命を無駄にしてほしくない」と言葉に力を込める。オレオレ詐欺などの特殊詐欺の防止と両輪で事故を減らしたいと強く語る。「密を避けた上で、いかに多くの人に注意を呼び掛けられるかが鍵となる」ときっぱり。ポスターや動画を使った啓発に意欲を示す。

 ○…南警察署での勤務は初めて。趣味はまち歩きで神社・仏閣巡りが休日の楽しみだという。「南区は平たんな道が多いイメージだったけど、実際は急こう配の坂が多い。歴史のある寺社があり、大岡川沿いなども歩きがいがありそう」と目を輝かせる。人情味あふれる土地柄が気に入ったと言い、弘明寺や横浜橋通商店街に足を運びたいとも。「地域の皆さんと顔の見える関係を築くことが本来のあるべき姿」と朗らかに笑った。

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