南区内では、オレオレ詐欺などの特殊詐欺が多発している。南区民の安全を守る南警察署の北村正署長に詐欺被害防止への思いなどを聞いた。
――南区における特殊詐欺の現状は。
「南区内で今年発生した特殊詐欺の認知件数は、11月末時点で31件と昨年から9件、被害総額は約1億300万円から5千万円に減少しています。しかし、県内の被害総額は約21億7500万円で、南区でも特殊詐欺と思われる不審電話が多発しており、予断を許さない状況です」
オレオレ詐欺に注意
――多い手口は。
「南区では、息子・孫騙りのオレオレ詐欺の手口が約7割を占めています。預貯金詐欺やキャッシュカード詐欺盗といわれるキャッシュカードをだまし取る手口が残りの3割です。オレオレ詐欺は、自宅まで現金を取りに来る従来の手法から、自宅外に呼び出して現金を交付させる手口が急増しています。これは家族や警察に相談する機会を与えず、『だまされたふり作戦』などを阻止する狙いと思われます。犯人は電話で、息子や孫が仕事などで失敗したことを理由に『誰にも相談しないでほしい』『他の人には言わないでくれ』などの口止めをします。また、携帯電話の紛失や番号の変更を理由に『停止手続きをしたので前の番号にはかけないで』などと呼び掛けます。前の番号は家族本人の電話番号のことで、犯人は連絡されるのを恐れます。不審な電話があれば家族本人に確認を取り、警察署に通報をお願いします」
――被害に遭いやすい年齢や住環境は。
「南区での被害者の年齢は80歳以上の方が8割、性別は女性が8割。被害者の世帯は単身、または夫婦2人暮らし世帯がほとんどです。日ごろから家族や信頼できる友人とこまめに連絡を取っていただきたいです」
犯人は録音嫌う
――被害防止策は。
「特殊詐欺は電話を使う手口がほとんどです。被害を防止するには、犯行グループからの電話を直接受けないことが効果的です。留守番電話機能の設定、迷惑電話防止機能付き電話機の設置が非常に効果的です。特に、録音の警告メッセージが流れる迷惑電話防止機能付き電話機は、自分の声を録音されることを嫌う犯人にとっては有効的です。高齢世代だけの問題ではなく、高齢者の子ども・孫世代が親と連絡を取りながら注意喚起することが必要です」
――被害防止のために南警察署が取り組んでいることは。
「南区役所と連携して行っている『神奈川県警特殊詐欺被害防止対策事業補助金』を活用した高齢者世帯に対する迷惑電話防止機能付き電話機の普及促進に取り組んでいきます。金融機関と協力し、利用者に防犯チラシの配布や声掛けを依頼し、特殊詐欺の未然防止に取り組んでいます」
――被害増加が予想される年末年始に向け、南区民にメッセージを。
「南警察署は12月1日から来年1月3日まで、年末年始特別警戒実施本部を設置し、特殊詐欺を含めた総合的な犯罪の抑止・検挙活動を強化していきます。地域住民の皆さまが年末年始を平穏に過ごせるように、署員が一丸となって取り組んでまいります」
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