南区 社会
公開日:2021.12.23
「時間と心にゆとりを」
交通課 事故の注意喚起
コロナ禍が少し落ち着き、人々の行動範囲が広がった昨今。自動車やバイクに乗る機会が増えたためか、県内の交通事故が増加傾向にある。
南警察署によると、県内で今年11月末までに発生した交通事故は、1万9477件で昨年から1054件増加した。死者は126人で全国ワースト1位となっている。
一方、南区内の交通事故は同月比で336件、死者は0人となっており、昨年から減少した。しかし、高齢者と自転車関係の事故が増加するなどの課題を抱える。
自転車や二輪車は車体が小さいため、自動車の運転手は相手が遠くにいるような錯覚に陥る。「まだ大丈夫だろう」という慢心が事故のリスクを高め、大型車の死角から飛び出してきたバイクと衝突する事故が全国各地で見られる。
南署交通課の藤田正義係長は「直進車が右折車に進路を譲った際、死角となった二輪車などとぶつかる『サンキュー事故』が見受けられる」と話す。信号機や横断歩道がない生活道路での事故も目立つという。ミラーで見えない死角を繰り返し確認し、相手の動向に注意することが事故防止につながる。
歩行者も注意を
事故防止のため、運転手だけでなく、歩行者も交通ルールを守るのが大切。信号機や横断歩道がない場所などを渡る乱横断は慢性的な問題だ。
また、事故は夕暮れ時が顕著。区内で今年発生した336件を時間帯別(4時間ごと)で見ると、午後4時から8時までが95件。これは午前8時から正午の112件に次いで多い。夜間外出時は、運転手の目につきやすい明るい服装や反射板を身に着けるなどの対策が重要だ。
藤田係長は「何かと慌ただしくなる年末年始。時間と心にゆとりを持って行動し、安全対策に取り組んでいただきたい」と呼び掛ける。県は12月を「飲酒運転根絶運動強化月間」としている。南署も事故防止のため、取り締まり強化に励む。
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