六ツ川の住民が中心となり、高齢者らが飲食しながら健康相談などができる認知症カフェ「とおりみち」が12月22日、認知症当事者を講師に迎えた講演会を六ツ川一丁目コミュニティハウスで行った。
認知症当事者の家族や支援者らが参加し、病気に対する思いや考え、対策などを共有した。
講師を務めた丹野智文さんは2013年に若年性アルツハイマー型認知症と診断を受けた。自動車販売会社のトップセールスマンとして活躍する中での診断に動揺を隠せなかったという。
講演会の前半は丹野さんが認知症を受け入れ、向き合うまでの過程や家族とのやり取りを語った。進行する症状を抑えるよりも、日常で起こる失敗をどのようにリカバリーするかを考えることが大切と説いた。
後半は参加者からの質問に対応。認知症の家族がいる人から症状の改善方法などの相談を受けた際は、「私は家族の勧めで症状が改善するといわれる食べ物を一通り試したことがあったが、それがストレスになって体調が悪化した。本人の意思を尊重してあげることが大切」と経験を基にしたアドバイスを送った。
「とおりみち」の代表を務める佐藤幸子さんは「考えを巡らせながら困難を乗り越えてきた丹野さんの経験談は説得力があり、皆さんの心に響いたはず。今後も当事者を交えたイベントを企画したい」と話した。
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