〈連載〉さすらいヨコハマ52 田植えの季節 大衆文化評論家 指田 文夫
6月は田植えの季節である。私の母は鶴見区矢向の生まれで、6月頃の田植えの時になると、実家に手伝いに行っていた。1950年代のことで、私は小学生だった。
米作の中での田植えは、以前は奈良時代ごろ言われていたが、最近の研究では、もっと早く弥生時代から行われていたようだ。
母は、日頃「田植えと草取りが大変だった」と言っていたが、田植えの手伝いになると、結構うれしそうに出ていったのがおかしい。
また、母は「矢向は横浜市じゃないよ」と自慢気に言っていたのもおかしなことだが、確かに1927年3月まで、矢向は、鶴見町で横浜市ではなかった。
1950年代の矢向の田んぼ付近では、夜になると蛍が飛んでいたもので、実にきれいな環境だったと言える。
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