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南区 社会

公開日:2022.10.20

アゲハ育て10年
永田南西田さん100匹の母に

  • 西田さんの自宅庭を訪れるアゲハチョウ(提供写真)

 永田南在住の西田サキ子さん(80)=人物風土記で紹介=が10年前から地域のアゲハチョウを保護し、自然に還す取組を行っている。これまでに100匹以上のアゲハ蝶を育てたという経験を小学生に話し、子どもが命の大切さを知るきっかけづくりを担っている。

 西田さんは10年前、自宅庭の花の蜜を吸っていたアゲハチョウを見つけた。自宅近くのキンカンの葉にいたアゲハチョウの幼虫がアシナガバチに攻撃されているのを見て、保護して成虫になるまで育てることにした。

 さっそく、本などでアゲハチョウの飼育方法を研究。キンカンやアシタバなどの植物と外敵から身を守るための防御ネットを購入し、庭で育てる準備を整えた。しかし、アシナガバチが防御ネットの隙間から侵入して攻撃したことや寄生虫から守ることを考えて、飼育場所を室内に移し、幼虫たちのすみかとなる段ボールを用意した。

 室内で飼育する際に意識したのが自然に近い状態に近づけること。高温多湿にならないよう、エアコンで気温調整に努めた。また、キンカンやアシタバの継続的な購入が難しいため、パセリなどの自家栽培を始めた。これらを食べて成長した幼虫がサナギになり、4月から10月ごろに成虫になったところで自然に還しているが、巣立ったアゲハチョウは西田さんが恋しいのか、定期的に庭に現れるという。

 西田さんは、子どもたちが生き物の命を育む責任感や自然への考えを深めていく機会を作ろうと、数年前から飼育時のエピソードや自身が感じたことを永田台小学校の児童に伝えている。「永田にも多くの自然が残っていることを知ってもらい、子どもたちが地元を好きになるお手伝いをしていきたい」と話す。

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