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公開日:2022.12.01

あす、南図書館が30周年
記念事業でにぎわい創出

  • 京急弘明寺駅から徒歩1分の南図書館

 横浜市南図書館=弘明寺町=が12月2日で開館30周年を迎える。図書館の節目を盛り上げようと、館内では昭和のころの南区の街並みを映した写真を並べた「パネル展」を6日まで実施。地域交流や子どもの学習成果発表の場として機能してきた同館は、今後も様々な企画で利用者を楽しませていく。

 同館は1992年、市内で16カ所目の市立図書館として弘明寺公園の中に開館。当初は同公園の丘の上に建設される計画だったが、住民から寄せられた「山の上では利用しづらい」との意見を汲み取って、京急弘明寺駅から歩いてすぐの場所に建てられた。これにより、利用者は西区の中央図書館まで足を運ぶ必要がなくなった。同館によると、1年間で平均約23万人が訪れている。

 図書館は4階建ての建物の2、3階部分。4階に弘明寺公園プールがあり、夏は図書館とともに多くの子どもでにぎわう。

住民交流の場構築 

 図書館の会議室は詩吟や俳句のサークル活動、絵本の読み聞かせ会で利用されている。同館職員は「住民に憩いの場を提供する」をモットーに、新型コロナウイルスの感染症対策とイベントの両立を徹底。昨年度は計画した全ての講演会や「おはなし会」を行った。

 多世代に楽しんでもらおうと、親子で参加できる内容からシニア向けの講座など、多様なニーズに応える企画を実施。今年6月には、同館司書がシニア世代に向けた講座を南センターの中にある福祉施設「南寿荘」で初めて行い、高齢者に関わりの深い作品や蔵書検索・予約サービスの使い方を教えた。好評だったこともあり、講座の継続化が決まった。

 地域の学校との交流が深く、学習成果物の展示に協力。これまでに、六つ川小の児童が作った絵本などが展示された。教員は「地域に向けて発表することが子どもたちの学習意欲向上につながる」と手応えを感じており、住民からは「コロナ禍でも前向きに勉強に取り組む姿勢に感心した」といった声が聞かれる。

 今年は年間を通して30周年記念事業を実施。有名作家による講演会や考古学のワークショップなどを企画し、にぎわいを創出してきた。

縁の下の力持ち多数

 同館は職員のほか、地元住民によるボランティアが運営を支えている。総勢約40人が書架整理や本の修理に携わる。同館の大塲(おおば)洋子館長=人物風土記で紹介=は「地元の皆さんの力があって30年周年を迎えることができた。癒しや楽しみを生み出す施設運営に努めていきたい」と話す。

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