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南区 教育

公開日:2023.03.09

蒔田中
石巻 元校長の体験聞く
震災から再建の過程学ぶ

  • 地震が起きた午後2時46分のまま止まった時計の写真を使って状況を説明する佐藤さん

 蒔田中学校(熊切隆校長)で3月1日、東日本大震災で被災した宮城県石巻市立雄勝中学校の校長を務めていた佐藤淳一さんの講演があり、1、2年生約300人が話を聞いた。

 同校は災害への対応力向上を目指し、防災の取組に力を入れている。その中で東日本大震災の被災者の体験を聞くことを決めた。

 佐藤さんが校長を務めていた雄勝中は湾の入り組んだところにあった。2011年3月11日は卒業式で、午後1時ごろには式を終え、生徒は帰宅。その後に大地震が起き、佐藤さんら教員は車で山の中へ避難した。3階建ての校舎は屋上まで津波をかぶり、体育館は流されてしまったという。それでも生徒77人は全員無事で、佐藤さんは「たくましく生きよ」を新たな校訓にし、雄勝中の再建を図った。

 生徒に誇りと自信を取り戻させるため、全員での太鼓演奏を提案。同年6月から古タイヤにテープを張って叩く「復興輪太鼓」の取組を進めた。これが聞く人の心をつかみ、全国から演奏依頼が舞い込むまでになった。生徒と地域が徐々に笑顔を取り戻す様子を語り、「君たちの希望は未来そのもの」と蒔田中の生徒に言葉を贈った。

 話を聞いた2年生の男子生徒は「一瞬の判断で命がつながることを知った。これからも支え合って生きていきたい」と感想を語った。

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