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南区 文化

公開日:2023.05.18

【Web限定記事】
部員2人のY校美術部 学校周辺の街並みを捉えた「絵どうろう」が優秀作品に

  • 足立会長(右から2人目)から賞状を受け取る福田さん(3人目)と石崎さん(4人目)

  • 絵どうろうの一部

 市立横浜商業高校(Y校)美術部の福田静来さん(3年)と石崎恵美さん(2年)が作った絵どうろうが、3月下旬の「みなみ桜まつり」で蒔田公園に展示された52基の中から優秀作品として選ばれた。部員2人という恵まれない環境の中、様々な角度から見たY校周辺の街並みを描き上げた絵どうろうが審査員の心をつかんだ。

 これまで春に行われていた「南区桜まつり」と夏の「南まつり」が統合して新たに生まれた「みなみ桜まつり」では、南まつりの名物だった絵どうろうの展示を企画。3月25、26日に予定されていた蒔田公園でのステージイベントや模擬店などは雨で中止になったが、絵どうろうは展示され、24日から26日の午後6時から各3時間は点灯した。区内の小・中・高校の児童・生徒が作成した絵どうろうは、歴史や南区制80周年を祝う内容など様々で、作品を作った児童や保護者が見物に訪れていた。

 みなみ桜まつり実行委員会や協賛企業などが52基の中から優秀作品を5基選出。Y校美術部は井土ケ谷下町の保険代理店「株式会社石井商事」から表彰を受け、4月26日に同社の足立和夫会長から福田さんと石崎さんに賞状が手渡された。

空から見た景色をイメージ

 2人はY校のすぐそばを流れる大岡川をメインに模写し、高さ約1.7mの作品が完成。校舎から見える横浜ランドマークタワーなども描き、野球部やボート部の部員が練習に励む姿を表したという青春のワンシーンと調和させた。また、実際に見た景色だけではなく、想像を取り入れたシーンも。飛行機から見える南区の街並みをイメージし、大岡川と商店街が合わさったオリジナリティーあふれるまちを表現した。顧問の志村冬佳教諭は「2人は何度もシミュレーションを行っていた。地域の魅力を表現した作品になったのでは」と生徒を称えた。

2人でゼロから

 Y校美術部は福田さんが入学した2021年4月時点で部員がおらず、休部状態だった。中学ではバドミントン部に所属していたが、デザイン関係の専門学校への進学を視野に入れ、1人での活動に踏み切った。翌年、石崎さんが入部し、これまで2人で活動してきた。

 絵どうろう作りは休部状態だったこともあり、先代からの引継ぎがなく、ゼロからのスタートに。長年、絵どうろうを出展している地域の中学校美術部などから作り方のノウハウを学んだ。光の反射などを想定し、水彩絵の具で繊細に表現。約4カ月間で作り上げた。福田さんは「2人だからこそ、作ることができた」と話し、石崎さんは「制作過程で先輩がうまくリードしてくれ、納得のいく作品に仕上がった」と感謝していた。

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