南区 文化
公開日:2023.12.07
「登り窯」を語り継ぐ
住民がイベント企画
大正期に永田で活動していた陶芸家・井上良斎が使っていた永田東の登り窯を公開するイベントが12月2日に行われた。
登り窯は傾斜地を利用して陶磁器を焼く部屋が階段状に連なったもの。熱効率が良く、大量の焼き物を作るのに適する。良斎の登り窯は谷戸の自然環境が良好に残り、9月に市の歴史的建造物に登録された。
良斎の孫の川井興一さんは永田の歴史を次世代に継承しようと、2000年、地元有志とともに「登り窯と永田の自然を守る会」を設立。登り窯がある敷地内でホタルの再生活動にも取り組む。その支援団体として、永田南在住の堀木一男さんらがボランティアで「登り窯まるごと整備プロジェクト」を発足させ、今回のイベントを企画した。
川井さんが3カ所の登り窯を紹介したほか、地域コーディネーターが区内で採れたドクダミやヨモギをブレンドした茶を販売し、多くの人でにぎわった。堀木さんは「予想を上回る盛況ぶりで、地域の絆が深まった」と手応えを感じていた。
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