川辺町蔦宗さん チンドンで日本一に 三味線演奏で全国制す
保土ケ谷区川辺町在住の蔦宗(つたむね)キヨ子さん(82)が所属するチンドンのチームが4月7日、富山市で開かれた「第58回全日本チンドンコンクール」で最優秀賞を受賞した。三味線を担当する蔦宗さんは、区の歌のアレンジを行うなど、地元でも活躍している。
蔦宗さんは普段、区内を中心にボランティアで三味線演奏を行っている。約10年前からチンドンに興味を持ち、群馬県前橋市のチンドン愛好会「厩橋CHINDON倶楽部」に所属。華やかな衣装に身を包み、チンドン仲間らと共に各地で演技を披露してきた。
今回のコンクールでは、愛好会の20歳から83歳まで男女7人のメンバーで構成されるチーム「東金堂」の一員として、素人の部門に参加。全国16都道府県から集結した32チームの中から、最優秀賞に選ばれた。
チンドンとは、太鼓などの楽器を鳴らして人目を集め、店舗や商品を宣伝する広告業のことで「チンドン屋」「ひろめや」とも呼ばれる。毎年富山市で開かれている同コンクールだが、昨年は東日本大震災の影響で中止。2年ぶりの開催となった今回は「日本をパーッと明るく」がテーマに設定された。
4月6日から8日までの3日間にわたる開催期間中は、通りを練り歩くチンドンパレードや遊覧船での演奏などが披露され、多くの観客でにぎわった。
復興への想い込め
「東金堂」のメンバーは、今年始めからコンクールに向けて練習を重ねてきた。本番では、三味線の他、トランペットや太鼓を用い、東北民謡をサンバのリズムにアレンジしたメドレーを披露。
蔦宗さんは「チーム内に年齢差はあるものの、みんなの想いが団結して楽しい演奏ができた。震災復興への願いを演奏に込めたことも最優秀賞に繋がったのでは」と話す。
区政80周年の記念曲「わがまち、保土ケ谷」のアレンジも行った蔦宗さんは、地元への想いも強く「今後は商店街での演奏などにも挑戦したい」と話していた。
ケガ克服し栄光掴むチンドン日本一 蔦宗さん
同チームが日本一を勝ち取ったのは、2006年のコンクールに続いて、今回が2度目。しかし、蔦宗さんは「今回のほうが嬉しい」と話す。
コンクール直前の昨年11月、大腿骨を数カ所骨折し入院。3月までは思うように動くこともできなかったという。
チーム練習も満足に出来ない状態だったが「蔦宗さんが主役だからと言ってくれたみんなの声に励まされた」と語る。危機を乗り越え、団結力を増したチームは、見事2度目の栄光を掴みとった。
「100歳でも続けたい」
演歌や民謡に限らず、ロックや洋楽、アニメソングも三味線でアレンジする蔦宗さん。チンドンを披露するため、月に1度は群馬県を訪れる。また「地元への恩返し」を信念に、ボランティアでイベントなどに出演。今後も全国各地を飛び回る予定だという。蔦宗さんは「90歳、100歳になっても演奏していたいですね」と話していた。
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