仏向町の銭湯「黄金湯」のペンキ絵が約20年ぶりに塗り替えられた。国内唯一の女性銭湯絵師・田中みずきさんが2日間をかけ仕上げた「湯屋の顔」は大海に浮かぶ島に城が建ち、男湯には銭湯絵の代名詞とも言える「富士山」、女湯には大阪万博の象徴「太陽の塔」が描かれた。
「黄金湯」は45年ほど前に開業。前回、壁画を塗り替えたのは20年ほど前だという。先代の主人・石橋忠弘さんが自ら筆をとり描き上げた壁画は湖に浮かぶ島にそびえ建つ城。以来、「黄金湯の顔」として親しまれてきた。
しかし経年劣化で古いペンキが浮いてしまう状況から、3年前に石橋さんの後を受け銭湯を守る現店主・佐藤弘之さんは昨夏、塗り替えを思案。「若い感性で普通の銭湯とは少し違った銭湯壁画にしたい」と考え、国内に3人しかいないという銭湯絵師の中で最も若い、田中氏に「お色直し」を依頼した。
中央には「城」
「先代の面影を残しつつ、新たな形に」――。佐藤さんの思いを受け田中さんは、これまで四半世紀に渡り、親しまれてきた「城」を中央に配置。先代が描いたもの同様、海に浮かぶ島の頂上に大阪城をモチーフにした城郭を描いた。
男湯側には大海の奥に山並みが連なり、その奥にこれまでは無かった雄大な富士山がそびえ立つ。
女湯には遊び心
女湯側には大阪万博の象徴「太陽の塔」が描かれている。「普通の銭湯とは違ったちょっとシュールな絵にしたかった。今回が完成ではなく、4、5年後にまた描き足していていただく計画で、そのための布石なんです」。店主の遊び心が表現された形だ。
佐藤さんは「銭湯で風呂を浴びる文化は薄れつつあるが、装いも新たになった湯船で足をのばしてゆったりとしてもらえれば。親子やお孫さんといらしていただき、コミュニケーションの場になれれば」と話している。
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