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公開日:2020.12.24

川島町随流院
除夜の鐘 つかず
コロナ禍で苦渋の決断

  • 40年間、つきつづけてきた梵鐘を前にする西村住職(左)

 新型コロナウイルス感染拡大を受け、全国の寺社で年末年始の参拝方法の模索がつづく中、川島町の曹洞宗隨流院(西村悦次住職)では除夜の鐘つきを中止することを決定した。

 1441年に開基したとされる同寺では40年ほど前から毎年、大晦日の午後11時30分から地域住民らが20秒ごとに鐘をつき1年を振り返り感謝の気持ちを表すと同時に、地域内に年の瀬と新たな年の訪れを告げている。

40年で初の事態

 同寺の梵鐘は太平洋戦争中、砲弾・兵器生産のための銅・鉄資源の不足を補うため供出。現在の梵鐘は西村住職の結婚を記念し作られたのもで、1980年に落成式が執り行われて以降、40年にわたり日暮れを知らせる「昏鐘」がつかれ、大晦日には「除夜の鐘」がつかれてきた。

 年末年始の参拝について全国各地の寺社が模索し、「密」を避けるためライブでの配信や住民の参加を取り止め僧侶だけで鐘をつくなど、密集を回避しながら実施するところも多い中、西村住職は「健康第一」を理由に40年間つづいてきた「除夜の鐘つき」を中止することを決定した。新型コロナウイルス感染症が再拡大する中で、苦渋の決断だった。

それぞれの心の中で

 「梵鐘はつかないが、地域の方々がそれぞれに自分自身の1年を振り返っていただき、来年への希望を願い、心の中で『除夜の鐘』をついていただければ」と話している。

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