花見台の県立保土ケ谷公園内にある「かながわアートホール」(馬場洋一館長)では、主催事業を配信するため、昨年末に常設したネット配信専用の光回線を、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け発表の場を失っているプロ音楽家やアマチュア団体らに無料開放することを決め、1月中旬から利用受付を開始した。
神奈川県内唯一のプロオーケストラ「神奈川フィルハーモニー管弦楽団」の練習拠点として活用されるなど県内有数の音楽施設として知られる「かながわアートホール」では、コロナ禍で主催する事業が催せないことを想定し、昨年3月からネットでの配信へ向けた検討を始めていた。
当初は光回線を常設し年間で10ほどある主催事業の配信に活用する計画だったが、コロナ禍が長引く中、プロ・アマ問わず多くの芸術関係者が「発表の場」を失っている状況を危惧。昨年末、主催事業のひとつである親子向けのコンサート開催へ向けた準備段階で、「子どもがぐずってしまったら困るので、自宅で音楽を楽しめたらありがたい」といった声が多く寄せられるなど、舞台に立つ側、舞台を鑑賞する側、双方の需要に応えられる新たなツールになると判断し、主催事業以外の利用者にも光回線を開放することを決めた。
プラスの側面も
馬場館長は「新しい形の発表の場。地方にいる祖父母にお孫さんの発表を見てもらえるなど、プラスの側面もあるのではないかと前向きに捉えている。プロ・アマ問わず多くの方にご利用いただければ」と話している。
3月28日(日)には「神奈川フィル・カジュアルコンサート」が生配信される。午後2時からで同ホールのホームページ内に設けられた「動画配信」のページから無料で鑑賞することができる。
ライブ演奏や演劇などの配信を希望する場合はその旨をホールの利用申し込み時に伝える。光回線使用料は無料で、カメラなど映像制作機材は利用者が用意する。配信方法などが分からない場合はスタッフらがサポートするという。問い合わせは同ホール【電話】045・341・7657へ。
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