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公開日:2022.03.24

釜台町音一平さん
投げ銭ライブで応援
「ウクライナへエール送る」

  • 2時間にわたり歌い続けた音さん

 福祉施設などでライブ活動を続ける弾き語りシンガー・音一平さん(77・釜台町在住)が3月19日、ロシアから侵攻を受けるウクライナを支援しようと、上星川の落語居酒屋・ライブバー「こまむ亭」で投げ銭ライブを開いた。この日のライブで集まった投げ銭は、在ウクライナ日本大使館に届けられる予定。

 「戦争を知らない世代、第1号」を自称する音さんは終戦直後の1945年に生まれ、少年時代を過ごした北海道で隣人が弾くギターの音色が心に響き音楽に興味を抱き、ハーモニカに興じた。大学生だった23歳の頃、ベトナム戦争がはじまり、学園祭会場で裸姿の12歳の少女が血まみれで逃げ惑う写真を目にし、反戦市民運動に参加した経験を持つ。60年代に日本でピークを迎えた、合唱を中心とする社会運動「うたごえ運動」に出会い、当時は「切ないメロディーにひかれた」というロシア民謡も好んで歌っていた。

自らできる行動模索

 そのロシアが隣国・ウクライナに侵攻を開始した2月24日以降、テレビ画面に映し出される惨状に胸を痛める日々を過ごす中、自らができる行動を模索。56歳で高校教師を退き、弾き語りシンガーとして第2の人生を歩む音さんが出した答えは、「歌」による支援・応援だった。

 「あえて叫びたい。『Stop the war invader Putin』(戦争をやめろ 侵略者プーチン)と」。この日のライブの冒頭、音さんは静かにそう語り、歌い出したのが「荒城の月」。曲が終わると「キエフの空にも、モスクワの空にも月が出ている。月はどこから見ても同じだ」と、選曲の理由を話した。

 その後も映画「ビルマの竪琴」の中で日本兵と敵兵が口ずさむメロディーが重なり、最後には両軍兵士の歌声が戦地の森に響き渡る象徴的なシーンで歌われた「埴生の宿」など、「戦地に思いを寄せる」という視点から選んだ16曲を2時間に渡り演奏。最後の一曲に選んだのは、アメリカの人種差別と戦う人権闘争「公民権運動」の最中、歌われた「We shall overcome」だった。

 ライブを終えた音さんは「ベトナム戦争に反対した23歳の時と同じ気持ちが心の中にある。自立の戦い。ウクライナの皆さんは、ごく当たり前のことを主張している」と胸の内を明かし、「戦争が早く収束することを願っているが、この戦いが続く限り、投げ銭ライブを続けていきたい」とその決意を語った。

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