保土ケ谷区 人物風土記
公開日：2023.06.22
四半世紀ぶりに宮入りした峯岡神輿会の会長を務める
西山 俊太郎さん
峰岡町在住 58歳
神輿はこの町の誇り
○…「あの景色はたまらなかったですね。皆に支えられて空を飛んでいるような気分。一生忘れない」。生まれて初めて神輿の上に立った瞬間をこう振り返る。亡き前会長を真似た中折れ帽姿。四半世紀ぶりとなる神輿の宮入りを前に、橘樹神社までの最後の休憩場所となったイオン店頭での光景は生涯の思い出となった。
○…15年ほど前から神輿会の一員として祭礼に関わり、昨年から峰岡町の神輿会会長を務めるが「僕自身は素人だし、お飾りの会長でしかないので」と強調する。「みんなで担いで宮入りしたい」と話していた前会長の逝去を受け、神輿の組み立て方も分からない中、天王町や鎌谷町といった近隣神輿会の仲間たちが神輿の手入れなどに協力。悲願を叶えるために手を差し伸べてくれた。「神輿を通じて人の温かさや懐の深さを感じることができた。神輿の存在が『この地域に住んでいてよかった』という誇りにつながってほしい」と思いを語る。
○…そうして果たされた宮入り。「みんながいたからこそ出来たこと。達成感以上に、大人になってこんな仲間が出来たことに素晴らしさを感じる」と感謝を口にする。心残りは翌日の子ども神輿が雨天中止となったことだが「どこかの機会で担がせてあげてたい」と思いを寄せる。
○…峰岡町で生まれ育ち、現在は峯岡幼稚園の３代目園長。「例大祭の翌日にはお神輿の絵を園児からもらいました」と目を細める。園の運営で大切にしているのは大人でも子どもでも「分かってもらえる」と感じられる環境づくり。「『それでいいよ』と肯定してもらえる人が周りにどれだけいるか、というのは子どもが育つときに大きいと思っています」と教育者の顔も見せた。
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