県立鶴見養護学校(藤本武校長)の中庭にこのほど、1980年の開校以来、保護者から要望の多かったプールが整備された。9月9日には来賓を招いた開設式典が行われ、生徒をはじめ、教諭ら関係者は喜び合った。
県内の県立特別支援学校27校中、プールが無いのは同校を含め2校のみだった。これまで同校は、ふれーゆ=末広町=やグリーンウッドカルチャースクール=梶山=などの施設で、一般客に混ざって水泳の授業を実施していた。
しかし、60分という体育の限られた授業時間では、移動時間によって水泳時間が左右された。道路が混雑している時は、10分程度しか泳げないこともあったという。
保護者からは同校設立以来、「校内にプール整備を」との要望があがっていたが、設置場所が確保できないなどといった問題もあり、実現には至らなかった。
近隣施設閉鎖で本格化
計画が本格化したのは、昨年11月。長らく利用していたグリーンウッドのプールが閉鎖されることとなり、水泳の授業の実施が困難となった。閉鎖を受け、同校のPTAが中心となり、教育委員会や副県知事に要望書を提出するなど、より強く設置を求めていた。
保護者らの尽力もあり、長年の要望がついに実現。7月中旬から着工し、8月25日に組み立て式のプールが完成した。PTA会長の森口順子さんは「外部施設の水泳だと制限がある。子どものために何度もお願いしてきた、代々の先輩たちの思いが詰まったプール」と、感慨深げに喜んだ。
体力向上に効果
今回設置されたのは、11m×13mで水深約1・1mの組み立て式プール。開設式典では生徒らのダンスや、インターハイ出場経験のある教諭による個人メドレーも披露された。
藤本校長は「長年の夢が叶った。学校だけでなく、保護者や地域の方、教育委員会の尽力のおかげ。これでプールの時間を有効活用できる」と笑顔で話す。森恵副校長は「障害のある子にとって、心肺機能や体力向上、リラクゼーション効果の望めるプールは非常に有意義」と喜ぶ。
森口PTA会長は「工事中、子どもは嬉しそうにしていた。安全第一に、気兼ねなく活用して」と充実した表情で話した。
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