新型コロナウイルス感染症拡大の影響による3カ月ほどの休校が終わり、学校が再開して約一カ月がたった。再開後も新しい生活様式などに沿う学校生活。「いつもと違う」日々が始まる中、「子どもたちの心の声に耳を傾けてほしい」と呼びかける人物がいる。
区内佃野町で不登校の子どもたちの居場所を開き12年、横須賀などからも相談が来るというNPO法人フリースペースたんぽぽの青島美千代理事長と同スペースを利用する不登校経験者だ。子どもたちのSOSを見逃さないためのポイントを聞いた。
身体に症状も
長期の休みの後で、学校が怖くなってしまっている子どもも多いという。子どもが「学校に行きたくない」「誰々が嫌だ」などと相談してきたら、SOSのサインだと青島理事長は話す。
「相談を受けたら、まずは話をしっかり聞くことが大切」。子どもたちは話しても相手にしてくれないと感じると、逃げ道をなくし、熱や腹痛、朝起きられないといった身体的な症状が出てくることもある。
身体に症状が出てきたら、すでにかなりストレスを感じているサインだという。
「休んでいい」
相談を受け、解決法の提案はしても「休んでいい」という親は少ない。行かせることが子どものためだと思っているからだ。「でも、疲れたら休んでいい。気晴らしに出かけてもいいし」と青島理事長。
「大人は疲れたら休むはず。子どもも学校という社会の中で生きている点では大人と同じ。自分と同じように考えてほしい」と呼びかける。
無理やりが怖い
たんぽぽに通う高校3年生の男子は、小学2年生の頃から不登校になった。環境に馴染めなかったり、親の細かい指導で勉強が嫌いになったのがきっかけだった。
教諭が「ここまでいってみようか」と、登校させようとしたことが追い打ちとなり、学校が怖くなった。「ホラーだった。無理やりはつらい。家でも、学校でも理解してもらえなかったら、逃げ道がなくなってしまう」と心情を吐露した。
「声」 集めた冊子
同法人では、3月に認定NPO法人神奈川子ども未来ファンドの支援を受け「不登校の私からあなたへ」という冊子を発行した。不登校になった当事者や保護者などの生の声を集めたもの。カンパ100円で、たんぽぽで入手できるほか、郵送も可能。問合せは【電話】045・834・7970
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