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鶴見区 コラム

公開日:2023.03.16

魅せます!鶴見のものづくり企業【11】
エポキシ樹脂の可能性に挑戦
末広町 アルファ工業株式会社

 世界初となるコンクリート構造物のひび割れ補修接着剤の開発など、「エポキシ樹脂」を使用した接着剤を100種類以上開発し、研究や施工を行う同社。

 「エポキシ樹脂」とはエポキシ基を有する化合物の総称で、添加剤を加えることで耐水や耐熱、硬度など多様な特性を生み出せる素材。同社の補修剤は高速道路の橋梁やトンネルなど老朽化したコンクリート補修などに幅広く使われている。

 創業者で現在も社長を務める大井川幸彦さんは「皆さんが一度は通ったことのある東名高速道路の工事にも使われています。接着剤1つを取ってもそれぞれ使われる役割も違っていて、用途別に常に新しいものを作ってきました」と話す。

将来性に着目して起業

 1970年代の日本で基礎コンクリートの補修に同樹脂は使われていなかったが、アメリカでは既に使用されていた。大井川社長はそこに着目し、日本での可能性を確信して77年に機械基礎補修を専門で行う同社を中区で起業した。

 その後、95年に発生した阪神淡路大震災で倒壊した道路などの補修に同社の補修剤が使用され、幅広い分野で活用されるようになった。今では、日本高速道路(株)など大手企業との共願特許を取得し、継続的な取引関係が続いている。

 同社の製品の1つ「アルファテック380」は、コンクリート構造物の微細なひび割れに塗布するだけで、ひびの中まで接着剤が浸透していく優れもの。テレビで紹介されると電話が殺到し、回線が一時遮断するほど反響があったという。

競争よりも独自性を

 「横浜型地域貢献企業」にも認定されている同社。創業から46年間、競争よりも独自性を大切にし、「人がやらないこと、やっていないことに挑戦してきた」と大井川社長。設立50周年に向け、今後は海外に向けての働きかけも強化していきたいとする同社。大井川社長は「高速道路や橋の補修など、日常を支える社会インフラを縁の下で支える企業が鶴見区にあることを知っていただき、少しでも親身に感じてもらえたら」と笑顔で語った。

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