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鶴見区 コラム

公開日:2023.06.22

「土木事業者・吉田寅松」50 鶴見の歴史よもやま話
鶴見出身・東洋のレセップス!?
文 鶴見歴史の会 齋藤美枝 ※文中敬称略

東京府知事から表彰状

 東京馬車鉄道、東京市街鉄道、川崎電気鉄道の三社により東京市街に電気鉄道の軌道が整備されたが、市民からは乗り換えごとに運賃がかさむなどの不満が出た。

 明治三十九年に三社が合併して東京鉄道となり、明治四十四年八月に東京市が東京鉄道を買収して東京市電となり、東京市内に張り巡らされていた路面電車はすべて公営となった。昭和十八年の東京都制施行により東京都電となり、最盛期の昭和三十年ごろは、四十系統、営業キロ約二百十三キロメートル、一日百七十五万人が利用する日本最大の路面電車となったが、車社会の到来により交通量の増加や地下鉄の発達により利用客減少で経営が悪化し、昭和四十二年から昭和四十七年にいたるまで多くの路線が廃止された。

 恒久的存続となった唯一の都電荒川線「東京さくらトラム」は、早稲田・三ノ輪橋間(三十停留場、十二・二キロメートル)を走りつづけ、地域の身近な足として親しまれ、下町情緒などを味わえる魅力的な観光スポットにもなっている。

 寅松の提案と寄付により、東京市街の電車鉄道軌道が整備され、市民に大きな利便をもたらしたとして、明治三十三年九月、「元東京市内鉄道株式会社創立員」の吉田寅松に、久我通久東京府知事と有志数千人から表彰状と金杯が贈られた。

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